
観たかったけど観損ねていた作品を、自宅のテレビで観ることができました。
やっと観れわい「そこのみ」を!
期待値を上げすぎて観たから、満足度はアレですが。
それでも、とっても良かったです。
函館でドン底生活をしている男女のラブストーリー。
暴力や性の描写はソフトでしたけど、ドン底生活の表現にはパンチが効いてました。
まずは、田舎の古い家屋の感じがよく出ています。
大道具さんが、がんばった!
鍵なんてかけない、開けっ放しの引き戸。
台所も、ひとっつも片付いておらず、そのへんに洗濯物が干されているという。
ゴミ屋敷ギリギリの線ですよ!
いや〜、ボクちゃんの田舎の近所にも、こういう感じのお家ありますよ。
臨場感たっぷりの生活臭にクラクラしました。
心理的なドン底状態の達夫役を演じた綾野剛に存在感。
この人、顔で勝負できますね。
アンタ顔で何でも落とせますよ、スズメでもツバメでも!
まーね。
めちゃめちゃイケメンというわけではありませんが。(←余計なひとこと)
昭和臭さも貧乏臭さも、いるだけで出せる人。
そして、どこかラテン系の風味も感じました。
ラテン名を付けるとしたらゴメスですよ!
そして、この映画は綾野剛の代表作であると共に、共演の池脇千鶴の代表作なんですよね〜。
千鶴が生まれつき持つ「幸薄さ」が大爆発。(←失礼)
社会に馴染めず、場末のバーで体を売るしかない女・・・。
バイト先は「イカの塩辛」工場ですよ!
桃屋の工場でしょうか?!(←未確認)
売春→塩辛→売春→塩辛・・・のループが、地味ですが効きました。
細か〜いジャブが効いてきたんですよ!
結果的に、千鶴のイメージが定着してしまいました「塩辛色の女」っていう!!
肉体的なドン底生活をおくる千鶴と、精神的なドン底生活をおくる綾野剛。
2人のドン底ピープルが出会ったときに奇跡がおこる。
ドン底ラブ!
ドン底生活をおくる2人らしく、初めてのチューは濁った海の中。
初めてのチューが泥水味!
それでも、なぜだか潤いがあって美しかったです。
アパートの真っ暗なお部屋では、イチャイチャしながらスイカをかじる2人。
ドン底で見つけた、一滴の甘い汁!
退廃的な世界観の中に、瑞々しさを感じる名シーンでした。
綾野剛と千鶴のコンビネーションでストーリーは進むのですが。
クライマックスの見せ場を担当しているのは第三者なんですよね〜。
おいしい部分は、別の人が持ってった!
2人は巻き込まれるだけ。
人生の主導権を握っていないんですよね〜。
そんなところも、せつなかったです。
きっとあの2人、手相の運命線も薄いんでしょうね〜ボクちゃんみたいに!