
17歳の少年が、年上の男性に好意を抱いて始まるひと夏の経験。
兄貴に抱かれた熱帯夜!・・・そんなお話。
メンズの抱かれ物語ですよ!
まずは1980年代を舞台設定としたイタリアの田舎風景が素晴らしい~。
圧倒的な情緒ですよ。
真夏の暑そうな空気感があると思えば、泉のお水の冷たさも。
沸かしたうどんに、びっくり水をかけるような演出ですよ!
恋の情熱と、それを冷ます理性という温度差が描かれているお話だったから、ちょうどいいロケーションでした。
そして、一瞬たりとも気がそれることのない編集、音楽使いなどもセンスがバッチリ、脚本も演技付けも相当丁寧で、作品の完成度の高さがスゴイことになっています。
幕切れも素晴らしくて名画の風格~。
30年くらいは語り継がれそうな秀作ですよ。
監督のルカ・グァダニーノというお方は間違いなく巨匠だわな。
アンタ一流芸能人!(←アンタ呼ばわりですが)
ここまで作り込まれた世界観だと、いっぺん入ったら抜けられぬ。
みんな兄貴にズブズブハマる!
兄貴という名の蟻地獄~!!
兄貴役オリヴァーを演じたのは網浜さんですけども。(←アーミー・ハマー)
今回の網浜さんを見て、ボクちゃん、脳天に雷を受けた気分。
電気が走った神経に!
網浜さんに1980年代のゲイ役がハマりすぎている。
初めて見たわい、こんなに濃い顔が生かされている網浜さんを!
主人公の少年エリオの前で、半裸でウロウロするオリヴァーからは色気がプンプン。
なんかヘンな色気ですよ、妙な臭い!
基本、オリヴァーの下半身は短パン姿。
しかも、ものっすごい丈の短い短パンで、お色は白。
あんな短パン、ボクちゃんは穿きこなせやすまい。
まずは白地に尿ジミが付くのが心配だから!
エリオ役を演じたティモシー・シャラメ君もなんじゃいこの子!
ア然とするくらい表現力が豊かでした。
すごい子が出てきましたよ、芸能界!
冒頭では、見初めあってはいるものの、目線すら合わさないオリヴァーとエリオ。
周囲にバレたら終わりなんですよ、バレたらパー!
心の内に秘めた思いの表現が、いちいち繊細。
誰にも相談できない、誰の援助も期待できない恋愛なんですよね~。
これは、ものすごい重みです。
その反動で、思いが実ったときの幸福感はハンパない。
そこらに転がっている男女間の恋愛を描いた映画が、安いB級に見えるくらいに人間味があふれていました。
エリオの父母は知性的。
インテリ家!
インテリ要素のおかげで、若さの勢いも論理的かつ詩的に伝えてきますよ。
思春期の男子の性が、なんともお上品なお味に。
食べやすいお味に仕上がりました、素うどんみたいに!
ラストシーンまでたどり着くとエリオの両親役の演技も実は見事だったことに気付きます。
実は、家族ドラマとしてもご立派!
ホント、いいご家族でした。
ラスト付近で、父親がエリオに語ったメッセージも、いいことを言っていたのですが詳しいことは忘れました!
ただ「誰からも良い顔をされるのは若いうちだけ。(年をとったらもう散々)」みたいな意味合いの言葉にはグサッときました。
確かに父ちゃんの言うとおりでした。
年をとって分かったわい、父ちゃん、アンタのおっしゃるとおりでしたから!