
メル・ギブソン監督作ということで。
かなりの野心作だと思い、身構え、覚悟を決めて客席で待っていたのですが「まな板の鯉」みたいに!
観てみたら、思ったよりも優等生な出来映え~。
いかにもアメリカ的な感動作に仕上がっていたと思います。
これは喜びますよアカデミー賞の審査員も!
時代は第2次世界大戦ということで、戦闘シーンはすさまじかった~。
普通はここまで過激にやんない。
普通は誰かが止めますよ「アンタやりすぎ」と。
頭、ハタかれますよ!
ここまでグチャグチャにして見せたのは、さすがメル・ギブソンというところでしょうか。
誰もメルギブには文句は言えなさそうですしね、殴られそうで!
しかし、それでいいと思いました。
敬虔なキリスト教徒デズモンドが「人は殺さない」という信念のもと、戦地では衛生兵として多くの兵士を救出した、という実話を元にした脚本になっております。
信念を持つことが個性的に見えすぎたのでしょう。
訓練所にて、デズモンドの存在は浮いていた。
ヘンな子扱いですよ能年玲奈ちゃんみたいに!
・・・そんな場面がかわいそうでした。
同時に「人を殺すより、殺さない方が罰せられる」という矛盾もあぶりだされて、反戦メッセージもいい感じ。
そんなゴタゴタした中で、デズモンドが衛生兵になれたことが奇跡にも思えます。
なんとなく数奇~。
ミラクル兵士〜!
戦地でデズモンドが人を救助する場面も、神様とお話しながらの作業。
このお話、全体的にちょっと神ってる!
キリスト様がいらしてんの!!
戦う相手は日本軍。
劇中でデズモンドは、日本兵も助けたことになってますが、本当かな?
ホラ吹いてんじゃ?!
いや、「実話」って言ってるんだから本当なのでしょう。
だとしたら、戦争中、しかも戦地でそれが出来たって、すごいことだと思いました。
人助けに国境も敵味方もない、っていうことで。
戦争映画でありながら宗教色が強いところが特徴だと思います。
思想ひとつで殺し合いが無くなる、っていう点。
思想で戦争も無くなるのでは?・・・という問いかけも素晴らしいです。
気の持ちようなんですよ!
宗教とは関係なく、一体「殺すこと」や「戦争」の根本って何なのだろう、と考えてしまいました。
デズモンド役を演じているのはアンドリュー・ガーフィールドですけども。
「沈黙-サイレンス-」と「ハクソー・リッジ」の2作に連続主演って、心理的にも相当キツそう~。
どっちも敬虔なキリスト教徒で、どっちも日本人から痛い目に遭わされてる役ですし。
アンドリュー、アンタ絶対、日本が大嫌いになったと思う~!
見るのもイヤでしょうよ、ツリ目のアジア人の顔なんて!!
どうにか日本を好きなってほしいヒュー・ジャックマンみたいに!・・・と思いました。
訓練所にて、デズモンドに対して「辞めちまえ、役立たず」みたいな嫌味を言っていた上官役がサム・ワーシントンなのですが。
終盤では、さすがにデズモンドに謝っておりましたな。
サム・ワーシントンが謝ることによって、物語もスッとまとまったように感じました。
よく効いてましたよ「謝罪ジメ」!
しかし、謝り方が「メンゴ」程度て!!
ちょっと甘いと思う~。
土下座か謝罪会見でもしてほしかったです。