
原作はトルストイですよ。
あの文豪様さ!
舞台は19世紀のロシア。
既婚のご婦人が、若いイケメン将校さんにメロメロになる話。
骨抜きになんの!
みっともないったら、ありゃしない!!
まーね。
とりたてて特徴を感じない不倫話でしたけど〜。
こんな古風で平凡な話を、よくもまあノリの良い映画に仕立てあげたもんだな〜、と感心〜。
退屈しませんでした。
演出が斬新なのです。
なんと、セットが動いて場面が切り替わりましたよ。
裏で動かしてんの、大道具さんが!
運んでんのさエッサホイサ、エッサホイサ!!
音楽に合わせて場面が切り替わったりもします。
なんとなく舞台っぽい演出。
劇団っぽいんですよ、劇団四季だか劇団新幹線だか何だかみたいに!
監督さんは思い切ったことをなさいましたな〜。
良い監督だと思う〜。
アンタ、間違ってないよ。
演出でおもしろおかしくしないとさ〜、ワテらもこんな平凡な話に付き合ってられんから!
ワテらも、晩ごはんの支度とかで忙しいからね!!
ヒロインのアンナ・カレーニナを演じたのはキラ奈かい。(←キーラ・ナイトレイ)
これまでも文芸作に多数出演しているキラ奈。
もう、さんざん!
だから今回も手馴れたもん。
余裕の抱かれっぷり!
「昔の女性の抱かれ方って、こうして、こうして、こうするのよね」みたいな分け知り顔さ!!
風格すら感じました。
今回、キラ奈をメロメロにする将校さん役は、超・二枚目の男前…っていう設定ぽいのですが、岡田眞澄みたいな。
ファンファン大佐みたいな!(←古いですか)
そんな大役に大抜擢されたのは、なんとアーロン・テイラー=ジョンソンですよ。
ほらほら〜、オタク高校生がヒーローを気取るコメディっぽい作品、「キック・アス」に出てた小僧ですよ。
「キック・アス」の、しかも「キック・アス」役の子。
ああ、よりによってあの子!
今回、あの小僧が大マジメ。
心を入れ替えて役に臨んどる。
魂、売ってんよ!
そんで、キザな演技をしてがんばっているのですが。
どうしても「キック・アス」のイメージがチラついて…。
隠しても、隠しても、安いオーラが出てしまう。
臭ってしまうんですよ!(←おトイレの後かい)
だから小僧が出てくると、ついつい笑ちゃう。
仕草は宝塚の男役みたいな感じなんですけど〜。
「追い付いてないな、天海祐希のレベルには」とも思いました。
しかし、ひょっとしたら、そんな無理めの配役も計算づくだったのかも。
話自体はつまんなかったのですが。
アーロン・テイラー=ジョンソンが、どうにもこなせないキザな演技をしているシーンは、いびつだけど楽しかったのです。
作品の魅力を上げた一番の功労者は、あの小僧だったのかもしれません。