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Channel: ラヴ・ハリ映画日記〜ときどき海外ドラマ〜
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「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」★★★☆

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tooyoungtoodie.gif


交通事故で死んだ男子高校生が「地獄めぐり」をする、というお話。


本物の「地獄めぐり」ですよ、別府にあるやつじゃナーイ!


2016年のミュージカル・ホラー・コメディ作品ですけども。

脚本と監督を担当した宮藤官九郎さんって、ホント才能がある方ですね。


ホメ言葉しか見つかんない。


アンタ100点満点ですよ、これで二重まぶたのイケメンだったら!(←早速ホメてませんけども)


宮藤官九郎さんの世界観が、テレビ局のフィルターを通さずにスクリーンから炸裂。

性や暴力の描写もOK。


純度の高い宮藤官九郎さんのエキスが出てますよ、モロに!


度数の高いお酒を、お水で割らずに飲んだ感じ。


原液で飲んだ感じですよ、チョーヤの梅酒とかカルピスとかを!


ものすごいB級感のあるセットと、キャラクターの高テンションで、一見すると完全おバカ映画に見えますけども。

結局、死んだ人と、生き残った人との関係は、時間を超えて永遠に続いていくことを描いているんですよね。

時空を超えたラブ・ストーリーという一面が素晴らしいです。

観終わったとき、ちょっと感動してしまいました。


天国だって、愛する人が一緒にいないと地獄も同然、幸せは愛次第、という、宮藤官九郎さんの天国論・地獄論も面白いです。


テーマは愛ですが、その上からロックという音楽性を被せて照れ隠し。

音楽要素をふんだんに取り入れて、いかにもクドカンっぽい、カルチャー映画としての一面も。


ギターを弾くチョイ役で、ローリー寺西さんやマーティ・フリードマンまで出てきてビックリ。

ローリー寺西さんもマーティ・フリードマンも、なんとなく地獄に馴染んでる。


2人とも浮世離れしてっからね、元から!


地獄にて、炎柄のセーラー服を着たガールズバンドで激しくドラムを叩いているのがシシド・カフカさんで、またビックリ。

シシドさんは、この映画以降にNHKの朝ドラに出演、今年はディズニー/ピクサー作「リメンバー・ミー」の日本語版主題歌を担当ということで。


急激な出世だわな、地獄の底から!


はい上がってきたわい!!


他にもいろんなミュージシャンが出てきて、クドカンの人脈を感じました。


結構渡してんね、名刺!


そんな音楽性と地獄と愛に、伏線を仕掛けてコメディ・ストーリーにキレイに落とし込んでいるところに唸りました。


地獄にいる赤鬼キラーKを演じている長瀬智也くんも、こんなバカみたいな役を上手にこなしておりました。

クドカンは、長瀬智也くんの持ち味である、チャラさの奥にある誠実味を上手に引き出してきますわな。


素材の旨みを引きだすんですよ、ほんだしみたいに!


クドカン・ワールドって、そのカルチャー・ネタやストリート感は日本人の心に刺さるものですけども。

海外の人には響かないところが残念~。

翻訳不能の傑作でした。




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