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安藤サクラさん他、貧乏家族を演じる役者さんの演技に魅了されっぱなし。
酔いしれたわい貧乏芝居に!
鑑賞中は「サクラ最高。アンタ最高」と、ずっと心でつぶいやいておりました。
貧乏家には大黒柱的な存在のおじさんもいらっしゃいます。
大黒柱というか~、貧乏柱というか~!
それはリリー・フランキーさんが演じておりますけども。
本来は富豪のリリーさんですけども、今回は顔も体も貧乏クサッ!(←ホメ言葉)
リリー史上最高の存在感だと思いました。
リリーさんとサクラさんにはラブシーンもございます。
貧乏抱きですよ!
リリーさんの裸が目に焼きついて離れない。
まぶたの裏にこびりついたわい、枯れ枝みたいな体が!
貧乏愛の見せ場は、サクラさんの裸体に付いたネギを、リリーさんがお口で処理する、というもの。
バッチリでした、貧乏とネギの相性も!
貧乏一家が住んでいる屋敷内も古くて狭くて、これまた見事な散らかりっぷり。
玄関までもが物置状態!
うちの実家に何か通じるものがある・・・。
ゴミ屋敷寸前のリアリティ!
一見すると、普通の3世代家族に見える貧乏家ですが、実は犯罪で繋がった者同士。
全員の裏事情が、徐々に明かされていくという、ミステリーにも似た人物描写も面白いです。
彼らの事情が適度に重くて、秘密が明らかになるたびに「う~ん」と唸ってしまいました。
万引をしながら生活している貧乏家。
ある日リリーさんが、虐待されている女児を見つけ、その子を連れ帰って始まる物語。
一言で言えば、それは「誘拐事件」なのですが、そんな一言では片付けられないまま、いびつな幸福感にあふれた家族物語に発展。
確かに誘拐自体は犯罪だけど、法的には違法だけど、今回の場合、それを悪と呼べるのか?・・・と、いちいち考えさせられる筋書きでした。
ラストシーンに辿りついたときも、果たして登場人物はこれで幸せになったのか、それとも不幸になったのか。
ハッピーエンドとも、バッドエンドとも解釈できる、観客に答えをゆだねる幕切れも素晴らしいです。
最近は、なんでもネットのニュース記事で情報を得ますけども。
1行の見出しや、数行だけの内容では、事件や加害者の本質は見抜けるはずがない、そんなことも考えてしまいました。
今回の作品は是枝裕和さんが手がけた過去作「誰も知らない」「そして父になる」「三度目の殺人」「海よりもまだ深く」などの要素が少しずつ入っていて、まさに集大成~。
裕和のベスト盤~!
いつもの是枝風味に、風俗場面などの辛味が入ってる。
香辛料が振られてんよ!
カンヌ映画祭で最高賞に輝いたのも納得。
辛口じゃなきゃ賞をやりませんからな、あの祭!
激辛好きの祭ですから!