
「はじまりのうた」等、音楽映画を撮らせりゃ世界一のジョン・カーニー監督。
最新作の舞台は1980年代のダブリンですよ。
14歳の少年がバンド活動を始めるお話です。
カーニー監督は世界的スターが共演した「はじまりのうた」でハリウッド・スタイルに懲りたのか、今回は素人感あふれる少年たちを集めたわい。
ズブのオイニーがプンプン!
手つかずの人材から煮出してるんですよ、上等なお出汁!!
まずは彼らの服装、時計、靴など、1980年代のダッサいファッションが最高〜。
ケミカルウォッシュのジーパンにジージャンの上下が目に染みたわい!
髪のボリューム感もスゴーイ。
昔の子どもって、こんな感じだったんですね〜。
見た目が完璧で圧倒されました。
今一番ダサく感じる時代を、あえてチョイス。
それをオシャレに、今風になんてアレンジなんてしない。
ダサいまま観客にぶつけてきてますよ!
投げつけてるんですよ、生のまま!!(←便を投げつけてくる動物園のゴリラかい)
そんなイタさと懐かしさを感じながら、少年たちのバンド活動シーンに、青春の疾走感がハンパない。
駆け巡る青春ですよ!
ダサいけど、相当輝いてました。
いや、ダサイからこそ輝くものなのかもしれません。
少年の頭の中で繰り広げられた、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ふうプロム映像が楽しすぎる〜。
見ていたら胸が熱くなり、変な涙が出てきたわい。
変なお汁ですよ!
バンドメンバーたちの交流よりも、主人公コナーのラブストーリーを前面に打ち出しているのがイイ感じ。
音楽活動をする理由は、年上の美少女にモテたいからという下心。
煩悩ベース!
口説き文句や自作の歌詞に、充満してます中2のダンディズム!!
こそばゆくなりつつも、その青臭さが何かイイ〜。
自分にも、こんなピュアな時代があったのかな〜?
無かったのかな〜?(←もはや忘却の彼方のようだ)
劇中歌は、どれも少年たちが自作した、という設定ですが。
子どもが作った曲にしては出来が良すぎましたけど、まあいいです。
みんな才能が豊かなんでしょうよ。
主人公コナーの家族も適度に描かれています。
夜に出かけようとする母に向かって父が「男に会いに行くんか?パンティどうする?穿かんでええわな、どうせすぐ脱ぐ!」みたいなケンカのシーンを見て。
ボクちゃんも「うちの両親も昔、似たようなケンカしてたわな」と思い出しました。
コナーには兄と姉がいるんのですが。
コナーにとって兄は、音楽の知識と教えてもらったり、センスを磨いてもらった師匠みたいな感じなんですよね〜。
兄弟でありながら、師弟関係という構図が興味深かったです。
ボクちゃん一人っ子だから、コナーが兄と姉とも仲良くて、うらやましかったです。
「こんな兄と姉がいたらイイよね〜」・・・と思いました。
「♪将来、親の介護とか、全部任せられるもんネ〜!♪丸投げできるもんネ〜!!」・・・と思いました。
それがボクちゃんの「未来へのうた」なのでした。