
原作小説が発表されたのは1952年。
当時それを読んだ人はビックラこいたでしょうね。
裕福な専業主婦が、デパートの女性店員を抱きたがる話ですので!
ビアン本ですので!!
同時に、女性の自立も描いているという社会派の物語でしたけど。
今の感覚からは遠い世界。
正直お古!
というわけでストーリーは普通でしたけど。
世界観と空気感がステキでした。
「古くないんです。レトロなんです。オシャレなんです」という、開き直り精神で売った、山田洋二監督の「小さいおうち」を思い出しました。
昭和モダンですよ、美輪さん的な!
今回の舞台は1952年、クリスマス時期のニューヨーク。
古い街に降る粉雪にキュン!
ヒロインの名前がキャロルだし、相手役の女性を「天使」と呼んだり。
クリスマス・ムードがドリーミン!
基本「年末縛り」なところが良かったです。
主婦キャロル役のケイト・ブランシェットの存在感が、ものすごいことになっています。
なんという妖しいババア!
美しすぎる女狐ですよ!!
デパートの玩具売場で、遠くの方から女性店員を見つめるキャロル。
娘へのクリスマス・プレゼントと共に、夜のお供も品定め!
いや〜ケイト・ブランシェットって、元々男役みたいなフンイキがあるじゃないですか〜。
宝塚ですよ、鳳蘭!(←古いですか)
今回は、その持ち味を十分に生かしていたと思います。
キャロルに目を付けられるデパート店員テレーズは清純派。
昔の少女マンガに出てきそう。
演じているルーニー・マーラが立派な乙女!
ああ、マーラがこんなに可憐とは・・。
アンタもよくやる、アラサーで!!
サッパリ顔のルーニー・マーラが、あのケイト・ブランシェットに負けていない、パワフルなオーラを出しているところが意外でした。
なるほど〜。
やれば出来るよ、この子!
いつもマーラはチェックのお帽子をちょこんとかぶって・・・。
竹久夢二の美人画みたい。
そんな感じで、女優2人の美貌が炸裂。
絵になる2人。
画面には、まるで紗がかかっているかのよう。
まるでモヤ!
ちょっとした、石川さゆりの世界。
「天城越え」ですよ!!
ケイト・ブランシェットの元カノ役を演じているのは、ガチレズのサラポンでした。(←サラ・ポールソン)
さすがガチレズ、説得力があるんですよね〜「ワケ知ったる顔」に!
自宅に踏み込んできたキャロルの夫を追い返す態度も迫力満点。
なんか命を張ってる感が漂って。
サラポンが、まるでウエポンでした。