
本編が始まって…。
最初のほうはストーリーがありました。
ええ、最初だけは!
痛快アクションを期待したお客さんを、見事に裏切るクライマックスにビックリ。
お客さんの見たいものは、一切見せてくれないというアッパレな作品です。
初日に観たのですがね〜。
まあまあ、お客さんも入ってました。
ボクちゃん、そんなお客さんが気の毒に…。
「なんか、みなさんの期待にそえぬ映画ですみません」と謝りたい気分。
「さあ次は、『STAND BY ME ドラえもん』でも観てください」って、タダ券を差し上げたい気分。
ドラちゃんでお口直しですよ!
脳機能が100%覚醒したら、人間は超能力者になる、っていうお話でしたけど。
X-MEN化するんですよ、ハル・ベリーみたいな!
全編を通して、監督・脚本を担当したリュック・ベッソンの持論が展開。
もはや「脳についてのベッソン・レポート」ですよ!(←「愛についてのキンゼイ・レポート」調で)
脳が覚醒したらこうなると思います、っていう論文みたいでした。
「STAP細胞はあります」みたいな!
「だけど証拠はありません」みたいな!!
後半は、ただひたすら「脳科学についての仮説と空想」が、CGで繰り広げられました。
まるで、テレンス・マリック監督作を観てる気分。
つまり、ア然とした気分!
ヒロイン映画ですが、ラブ・ストーリーを排除しておりますし。
ヒロイン映画なのに、誰にも抱かれることはナーーイ!
まーしかし。
映画なんて、監督さんの好きに作ってもらって結構。
他人の意見を聞いて作っていたら、より一層つまんなくなるだけだもんね。
リュック・ベッソンが今、何に興味があるのかは分かりました。
「脳みそ」ってことが!
一般ユーザーに酷評されるに違いない作品ですが。
映画ファンとして、それはそれで心が痛む…。
フォローさせていただくと、作家性のかけらもない作品に比べたらマシだし、個性も備わっておりましたよ。
痛快な気分は味わえませんでしたけど、娯楽性が無いわけではありませんでしたし。
娯楽もちょびっとございますよ、ひとつまみ!
スカーレット・ヨハンソンが、ヒロインのルーシー役を演じているのですが。
冒頭、ルーシーがアジア人の敵に捕まり、キャーキャー言うところは楽しかったです。
舞台も台湾かどこかなので、アジアン・テイストとヨハンソンの取り合わせがイイ感じ。
意外と合うよ、ヨハンソンと漢字!
絵的には良かったと思います。
ヨハンソンの敵役はチェ・ミンシクですよ。
オリジナル版「オールド・ボーイ」の主役ですよ!
渋いキャスティングが最高なのですがね〜。
そりゃもう、ヨハンソンとオールド・ボーイの対決が見たくなりますけどね〜。
米韓間の、取っ組み合いの大ゲンカをさ〜!
アップル対サムスンみたいなやつをさ〜!!
ああ、それなのに。
対決はナシってことで…。
お流れかい!(←ガックリ)
そして、脳科学の権威として、意味ありげにモーガン・フリーマンが登場〜。
ああ、それなのに。
とくに話に絡んでくることはない、っていう…。
ただ時々、脚本のト書きを読んでるだけの役でした!
ナレーターみたいなもんだわな!!
近年のモーガン・フリーマンって、こんなふうに「名前だけ貸してる」みたいなチョイ役が増えましたな〜。
脇役っていうか、顧問みたいだよね〜。