
*メインストーリーのネタバレはありません。
監督はバボちゃん!(←ポール・バーホーベン)
フランスの大女優イザベル・ユペールを主演に迎えた話題作ですけども。
ちょっと期待値を上げすぎたせいか、鑑賞後の印象は「まあまあ良かった」程度に落ち着きました~。
作品には「PG12」(12才未満の観覧には保護者の指導が必要)という制限が付いておりましたけども。
ちょっとコレ、12歳以下には観せちゃいかんわな.
刺激的だヨ、チェリーボーイには!
イザベル・ユペールが演じるのは、ゲーム会社を経営するミシェル。
女社長ですよ、アパホテルの社長みたいな!
話は、いきなりミシェルがレイプされる場面から始まってビックリ。
その様子を猫が見てんの。
ニャンコ様が凝視!
なんとも強力なイントロでした。
その後は「レイプ犯は誰なのか」という謎解きがユル~く展開して、エロチック・サスペンスの体で進行する一方、ミシェルのキャラクターも深堀りされていくという、複雑な構成になっております。
謎解きの難易度は「並」なのですが。
松竹梅で言うなら「竹」なのですが!
地味ながらミシェルの奇行がスゴかった〜。
プッツン女ですよ!(←死語)
「一見すると普通だけど、よ~く観察すると、この人、なんかヘンだよね」と思わせる、「平凡」と「奇抜」の境界線をあいまいにしているところが素晴らしいです。
簡単に言えばミシェルは変態だと思うのですが、それほど気色悪くもない変態、というか~。
ソフト変態というか~!
あまり大げさじゃないところが粋でした。
オシャレ変態ですよ!
ミシェルの恋愛も独自スタイル。
性に奔放、60過ぎて!
ホームパーティを開いたミシェル。
ミシェルが作ったおつまみを見て、お客が「うわ~豪勢」と言ってましたけども。
あのおつまみ、ショボかったですけど?!
ちくわにきゅうりを差し込んだレベルでしたけども!
気に入らない客のおつまみには、つまようじを仕込むミシェル。
お口に入れたらチクっとすんの!
おそろしく地味な攻撃を仕掛けてくるミシェルなのでした。
ミシェルの父母、息子、息子の嫁、家族全員にクセがあるんですよね〜。
ツンとすんの、らっきょうみたいに!
とくに息子がバカ息子で、観ていてイライラしました。
孫(?)までクセがあって笑ちゃった〜。
ツンとする赤子でした!
ミシェルは、そんな自分の状況を「屈折している」と表現していましたけども。
まさに「屈折」がテーマだったと思います。
屈折したラブストーリーと、屈折した家族ドラマが合体。
屈折監督が手がけた、壮大な屈折大作に仕上がっておりました。