
コップ・カーですよ、コップが乗るカー。
要するにパトカー映画~!
無人のパトカーを見つけて乗り回していた男児2人を、ケビン・ベーコン演じる警官が懲らしめる、という話だと聞いておりました。
いたずらっ子がやられるそうですよ、こっぴどく!
というわけで、てっきり、お子様主体のB級ショッキング・スリラーかと思っていたら・・・。
確かにカネはかかっていないけども、安っぽくはございません。
1000円なのに、そうは見えない服のような映画~!
1500円くらいに見える、そんな映画〜!!(←結局、安っぽいですか)
まずは、男児2人による「チンコ」「ボイン」「●●●」というシモのセリフでスタート。
さすがお子様、下品な言葉が大好物のようだわな。
さすが、うんこドリルに反応する世代!
そんな冒頭から、ステキな作品の予感がヒシヒシ~。
劇中では、設定を説明するセリフが無く、登場人物の置かれている状況は、彼らの行動でなんとなく推測できる、という粋な作風。
どうやらケビン・ベーコンは悪徳警官役らしく、自分が犯した犯罪を隠蔽しようとしてる様子。
殺人とか、そんな感じですよ。
メインキャラクターがお子様でありながら、ちっとも甘くないお話なのでした。
お子様だからって、カレーを甘口になんかしない店、みたいなもんですよ!
子供目線で大人の闇が描かれていて、その舞台が1台のパトカーだというのが、とっても面白いです。
「ジュラシック・パーク」で、子供が車に閉じ込められたままティラノ・ザウルスに襲われる場面がありましたが、アレの現実版みたいな感じでしょうか。
「ジュラシック・コップ」ですよ!
また、男児2人が銃器をイジる場面では、危なっかしくてヒヤヒヤしました。
子供が包丁を持って料理しているとヒヤヒヤするのと同じですよ。
お子様は包丁なんて使わずに、焼きのりでもちぎって食べてりゃいいんですよ!
「ちぎり食い」ですよ!!
子供だけで車に取り残されたり、武器をイジったりする不安感をよく膨らまして話に盛り込んでいるな~、と感心しました。
最終的には、男児の成長まで描かれていて、さらには続編製作も可能な幕切れでした。
そんなこんなで、なんとも異色のクライム・スリラー作品に仕上がっているのでした。
ケビン・ベーコンは製作にも関わっているようですが、これは良い仕事をしたと思います。
もらったギャラで、嫁のキーラ・セジウィックにネックレスでも買っておやんなよ、磁気ネックレスでも何でもさ~!
監督のジョン・ワッツというお方も、冴えた演出を見せてましたけども。
監督の次回作は、なんとアメコミ超大作「スパイダーマン:ホームカミング」なんですね~。
これは大出世。
見事に踏み台にしたわな、パトカーと子供をさ〜。