
*ストーリーのネタバレはありません。
「X-MEN」でおなじみ、ウルヴァリンを主人公としたシリーズの完結編ですけども。
アメコミ・ヒーロー映画は数あれど、こんなフィナーレ見たことナーイ。
枯れた風味がたまらん。
筑前煮みたいなお味!
ラストシーンにもグッときました。
シリーズ前作までのタイトルは「ウルヴァリン」なのに、完結編のタイトルは彼の本名「ローガン」ってところが「う〜ん、なるほど」って感じで良いですな〜。
作品のテーマは老衰ですよ。
「年とったヒーローのお役目」について描かれていたように思います。
ヒーローが終活すんの!
こんな企画が通るハリウッドってスゴイな、と思いました。
もう「X-MEN」シリーズの懐の深さに、ひれ伏すしかない・・・。
土下座ですよ、メンズに!
物語の時代設定は近未来。
これまでのウルヴァリンの華麗な活躍は、はるか昔のお話。
記憶から消えかかってんの、真田広之さんと戦ったりしたお話は!
ウルヴァリンが年をとって登場~。
見た目は尾崎紀世彦ですよ!
あのハツラツとしていたウルヴァリンが、「なんかもう最近、体力回復せんわ~」みたいな。
水素水か皇潤でも飲みそうな状態に!
ヨボってんの、クリント・イーストウッドみたいに!!
衰えた姿を見てショックを受けました。
かつてはタンクトップを着て飛んだり跳ねたりしていたウルヴァリンですが。
今は同じタンクトップ姿になっても、なんだかヨレヨレ。
それはもうタンクトップじゃない・・・ランニング・シャツでした「裸の大将」みたいな!
昔は度々、尻を出して走り回っていたウルヴァリンですが、お風呂上がりの子どもみたいに!
尻で有名なヒーローでしたけども!!
加齢のせいでしょうか、尻は、しまったまま。
もう恥ずかしいんでしょうね、いい年ぶっこいてっから!
そのかわり、ウルヴァリンの顔アップの場面では鼻毛が丸見えでした。
ボーボーですよ!
年をとると、鼻毛のケアもおろそかになりますからな〜。
そんな落ちぶれたヒーローですが、それでもヒーローでいるしかない。
やめるに、やめられんの。
じゃがりこを食べる手が止まらないとの同じ!
それがヒーローの宿命。
そして、暴力で人を倒すヒーローゆえの後悔が、老いた体にこたえている様子。
苦悶してんの、悶絶ですよ!
演じているヒュー・ジャックマンの演技力も爆発してました。
プロフェッサーXも出てきますけども、くたくたのパジャマを着た、もはや普通の介護老人!
ウルヴァリンにおトイレに連れてってもらってる状態。
あのプロフェッサーXがウルヴァリンにむかって「おしっこしたい!」みたいな感じですよ。
これまたショッキングな映像でしたけども。
演じているパトリック・スチュワートの演技は、これまた最高~。
展開も適度に壮絶で、「ターミネーター2」みたいなテンションが持続。
ボクちゃんの中ではアカデミー賞をやってもいいクオリティ。
作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、総ナメですよ、ボクちゃんの中では!
登場人物も少なくて、廃退したフンイキを盛りたてておりますけども。
ちびっこ版ウルヴァリンみたいな娘ローラが出てきて、ヒロインのポジションで大活躍。
ローラは、アクション・シーンでの使われ方も100点満点でした。
全くしゃべらないローラなのですが。
なぜかある時から突然しゃべりだして、ウルヴァリンも「は?!なんだ、お前。しゃべれんの?!(じゃあ、もっと早くしゃべらんかい)」とキレてましたけども、それにはボクちゃんも同感〜。
若い娘っ子に振り回されるのは、人間もミュータントも同じですな~。